八月の半ばまで

花火大会へ車で向かうも、車から降りて腰を据えて花火を見上げようとするつもりではなく、今年初めての花火を車中から眺め見ようとしたいためだった。
花火大会へ向かう道は信号も疎らな田舎の道路で、普段のその時間帯と同じようにあたりまえの速度で運転しなくてはならないとなれば花火も一目見る程度になるのだろうが、花火大会の日は、交通規制のためか、同じく車中から見ようと考えるものが多いからか、道はほとんどぎっしり車が詰まってのろのろと進んでは止まるを繰り返すようになり、そうやって前方の車への追突だけは注意しつつのろのろ進みながら、その道路のちょうど進行方向あたりで打ち上げられる花火には、それなりにじっくりと目を差し向けることができる。
日本有数の大きな花火大会ではなく、その自治体のささやかな花火大会であるので、予算や意気込みの都合上、大きな号数の花火が止めどなく打ち上げられるような豪勢なものではなく、最初から最後まで盛り上がりどころもないような、といってしまえば良い鑑賞者ではないようだけれども、それでもこうした風物詩に浸りたいとする気持ちは少なからずあって、大輪とまではいかないまでも目の前にぱあっと火花が膨らみ、一瞬遅れてどんという音が響いて、はらはらと消え行くさまはそのまま、胸に染みていくような思いがする。
道に連なっている車も、道脇の歩道に陣取っている家族も、昨年よりも多いようだった。打ち上げ地点に向かってゆっくりと、たっぷりと時間をかけて進み、花火大会が終盤に差しかかる頃、脇にそれて、家に戻った。