青森県三沢市

青森県三沢市へ。けっこう遠いところへの出張が続く。ホテルはどうやら禁煙の部屋ではなかったらしく、いやあなタバコの匂いがする部屋で息苦しくて体調まで害しそうだ。以前はそんなにでもなかったけれど、タバコの匂いには本当に嫌悪感を持つようになった。エレベーターを降りた時点でこの階は喫煙のフロアだと気付く。
食事をとりに、冷気の染み渡る外へ。「さいはて食堂」というなかなか冒険心をくすぐられる食堂があったのだが、そのすぐ近くの「めしや」という食堂に行って、この辺の名物であるらしい「バラ焼き」、牛バラ肉を甘辛く炒めたもの、の定食にしました。
どこにいって代わりばえのない出張でも、北に行けば寒く南に行けば暖かく、そういう当たり前のことがふと実感される。それは一カ所にいて今日は暖かいとか寒いとか感じるのとはちょっと違っていて、気候そのもの、空気そのものの質が違っているような感じで、そんなとき、ちょっと遠くの別の土地に来たんだなということが実感されます。逆に言えばその感覚以外はどこに行っても本当に同じです。
あまり寒いので出歩くことはしないで、だって道がつるつる凍っているので歩くのも危険なほどであるし、部屋でガルシア=マルケス『十二の遍歴の物語』を読み始める。


ガルシア=マルケス『愛その他の悪霊について』

ガルシア=マルケス『愛その他の悪霊について』を読み終える。
シエルバ・マリアという少女が犬に噛まれ、狂犬病の疑いがもたれる。療養と称して父親は少女を修道院に入れるのだが、生まれてすぐ黒人奴隷の手によって育てられていた少女は、粗野で奔放な振る舞いをするところもあり、周囲のものは悪霊に取り憑かれていると考え、ひどい仕打ちを行なう。
悪霊憑きを払うために使わされた神父がカエターノ・デラウラだった。カエターノは難しい本ばっかり読んでいるような人物で、あまり女性と接したこともない人間だったのだが、悪魔に憑かれた少女を愛するようになっていく…。
迷信深い時代で宗教的な抑圧感もあって陰惨な雰囲気に包まれている話なのでしたが、悪魔憑きの少女と聖職者の禁断の恋愛が言いようもなくすばらしくて、読んだ後に深いため息をついてしまう本でした。ガルシア=マルケスはかなり面白い。

愛その他の悪霊について
ガブリエル ガルシア=マルケス
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アルフレッド・ヒッチコック『サイコ』

ヒッチコック『サイコ』を観る。
いろいろ関連書籍などを見て知ったのだけど、有名なシャワールームでの刺殺シーンはソウル・バスというタイトルデザイナーがコンテを担当したものであるらしく、この前観てセンスが良いなーと思った『北北西へ進路を取れ』のオープニングをつくった人なのだそうで、この人すごいなーと脱帽してしまう。
私立探偵が階段をあがっていくところをカメラが追っていく場面で、カメラが下から天井付近までぐぐーとあがっていき俯瞰になる。普通、こんなカメラワークはしないんじゃないかと思われる異様な動きで、こういう特異なことをしてしまうヒッチコックもちょっとすごいと思った。すごいすごいと言われるのをよく目にするけど、自分の実感としてもこれは本当にすごい監督なんじゃないかと感じられる。
これで家の近くのツタヤにあるヒッチコック作品はすべて見終えてしまった。他にもあるのかもしれないけど探し出せない。他の観たことがない作品も観たい。

サイコ (1960) ― コレクターズ・エディション [DVD]
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逃走迷路

夜、借りてきたDVDでヒッチコックの『逃走迷路』を観る。『三十九夜』や『北北西へ進路を取れ』と同じ、無実の男が逃げながら真犯人を追うというパターンの作品。
いったん追いかけっこが始まると次から次へといろんな場面で逃走劇が繰り広げられるのだが、ストーリーの中に大きな波があるというより出来事が並列にとんとんと並べられて行くような感じで、そういったのがちょっと面白かった。逃げ惑う主人公を助けようとする盲目の老人やサーカス団の人たちなどの、切々と人を思う気持ちが感動的だったし、それと、あまり悪人っぽくないむしろ好印象を持たせる紳士ふうの悪役の存在が、作品をなにかこう愛おしく暖かいものにしているように思われた。

逃走迷路 [DVD] FRT-282
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月曜

オークションで落札された品物の発送手続きを、運送会社の営業所に自分で持っていっているのだが、今回は量が多いのでドライバーに電話して集荷に来てもらった。物を梱包したりするのは本当に手間がかかるというか、品物を包装紙やビニール袋に包み、うまく納まるような段ボール箱を選び出して隙間なく詰めていく、という作業を本当にしっくりと来るまであれこれ試行錯誤しているといくらでも時間を費やしてしまう。何も考えずに機械的に行ないたい。
それからまた新たに品物の写真を撮って一つひとつ出品していき、それが済むとその日は既に三分の二が終わっていて、そのように手間ひまをかけてやっていることはもはやちょっとしたお小遣い稼ぎというものではなく副業と呼んだ方がぴったりしているのかもしれない。だけど待てよ、と思う。僕は本当は菓子などこしらえたりそれを食べながら映画を見たり本を読んだり、晴れた日は自転車に乗って汗をかいたりしながら、というよりも可能ならばそれしかしないで生きてゆきたいと思っているふしがあるので、それ以外のことに時間を無駄に使ってしまうのは大変もったいないのかもしれないなーと、そこに疑問符を挟まないこともないのであるけれど。それなら、しかし、やめるべきなのは本業のほうなのではないか。


帰り道

昨日早く寝たので朝早く目が覚め、シャワーを浴びて残りの伊予かんを食べて、荷物をまとめてホテルを出る。仕事。それが済むと、帰りは来たルートをそのまま帰る。砺波インターから高速に乗る。帰り道、時間帯も違うから道の印象はまるで異なっていて、というか、来るときは真っ暗で何がなんだかわからなかったのを日中に通るとどういうところなのかが判明する。その日、空は晴天でよどみなく澄み切っており、右手の方に立山連峰だろうか、すごく鮮明に立ち上がっていた。だけどまたいくつものトンネルに突入するころライトは付けたり消したりから付けっぱなしになり、辺りは鈍重な暗闇となっていって、道路沿いの電灯と反射灯ばかりが単調に主張するようになり、間延びしたように流れて行く車のライトをかわしながら、こうなるともう「早く着かないかな…」としか考えなくなっている。夜の9時前に会社着。それでも行きよりも早く感じたというか実際早かった。


無料の朝刊

富山県砺波市にて。ホテルで新聞の朝刊を無料で配布しているので、一部持って行く。その場で閲覧する新聞ならどこでもあるけど、ときどき無料で配っているところもあって、それを僕はわりかし気の利いたサービスだと思っていて、いつもありがたく頂戴している。
仕事はそつなくこなして、夕方、回転寿司に行くと、最近はこれがスタンダードなんですかね、そこもタッチパネル方式の店で、適当にぴっぴっと押して流れてくるのを食べているとほどなくお腹はふくれてくる。レジが混雑している。どうせなら支払いも席でお金を投入して済ませられるようにすればいいと思う。それからコンビニ。あとはホテル。
部屋で読書の続き。すぐに眠り込んでしまった。夜中に目が覚めて電気を消してまた寝る。


富山県砺波市

富山県砺波市へ。富山県の中でも石川寄りの方だからまあ遠いところであるのはわかるのだけど、いつもよりも非常に遠く感じた。新潟に出るまでが雪道で一苦労だし(助手席に乗っているだけなんだが)、北陸道に乗ってからも(ここから運転)、「こんなに長いんだっけ?」という感じで連続したトンネルをくぐり抜けて、目的地へ到着。
ホテルは駅のすぐ隣なのだが近くは飲み屋ばかりで食事をするところがなく、車でジャスコまで買い出しに行く。安くなった弁当と明日の食料と、いよかんを買ってくる。もうみかんの時期も過ぎて今度は伊予かんなんだなと思う。伊予かんの季節といってもあまりぴんと来るものでもなく、冬と春の間の微妙な季節のイメージである。
夜、散歩はしないで引きこもる。図書館から借りてきたG・ガルシア=マルケスの『愛その他の悪霊について』を読む。