フリー

朝、コンロがまず届き、梱包をほどいてガス管にセットし、試しに火をボッと灯したところで、冷蔵庫を乗せたトラックが玄関先に停まった。冷蔵庫は二階にもっていきたいのだけど、とドライバーにお願いしてみると、快く、というようでもなかったけれど承諾してくれて、二人で持ち運んだのだが、僕はほとんど力が入らなかったので、冷蔵庫のほとんどの荷重をドライバーが負ったのではないかと思う。申し訳ない。二階に冷蔵庫を置くなんて、これはたいへんな労苦なのだという認識が、事が済んでからなんとなく罪悪感とともにじわじわと沸き上がってくる。引っ越したばかりでこういっちゃなんだが、ここから出て行くときにもまた冷蔵庫を下に持ち運ばないといけないなんて、ほとほと嫌気が指してしまうと思った。
買い出しに行く。カーテンは、手芸屋さんで厚手の布地が投げ売りされていたので、それを買ってきてしつらえることで、その役目を果たさせることにした。カーテンレールだけ買う。そのほか、無印良品で何でも買えばいいんじゃないかと思っていたのだけど、いざ買う段になったら何も欲しいものがないので困ってしまった。欲しくはなくてもなければ生活もできないものを、適当に選んで買う。後はホームセンターで買う。照明のライトなども買う。
家に帰って、カーテンをとりつけようと思って、取り付けるための工具がないことに気付いた。なんで持ってきていないのだろうか。自転車の十徳ツールみたいな工具で仮止め。電気を天井に取り付けようとすると、取り付け部分が噛み合わない。ちょっと細工しないといけないようなのだが、疲れたし嫌になったので、もうやめ。
生活の基盤を組み立てることに汲々としていて、本を読む時間もとれない。思ったのだが、生活の基盤ができるとは、例えば本が読む時間が取れるというようなことなのではないだろうか。というのは本なんか読まなくても生活していけるのだが、つまり生活に必要のないことができるというのが、生活できることであるというような。
とはいえ細切れな時間の中で適当に『フリー 〈無料〉からお金を生み出す新戦力』(クリス・アンダーソン)というビジネス書を読んでいたのだが、いろいろと頷けるところがあって面白かった。

人間は生来、怠け者なので、できるだけ物事を考えたくない。だから私たちは考えずにすむものを選びやすいのだ。

いくら安くっても「それって本当に必要なの?」というような認知作業を強いられてしまうので、安いことと無料との間には大きな違いがあるというのだが、なんで引っ越しの買い出しがこんなに疲れるのかというと、その認知作業に多大な労力を払ってしまっているからなんだな。だけど必要なものも「必要でない」と判断してしまうのはどういうことなのだろうか。家に帰ってから、「やっぱりあれ必要だ」などと思ったりして、また買いに走ることになっている。ばかじゃないのか。
間もなく4月になるというのに、外を見ると雪が降っている。これって、もう過ぎ去ったはずの季節のものではないのか。

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
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生活はじめ

ようやく冷蔵庫とガスコンロを注文した。今度の休みの日に届けてもらう。生活する上での必需品がまだまだ揃っていない。あとは、電気とカーテンと…。
昼休みにジャスコに入っている無印良品を覗いてみる。個人的には無印はどれをとってもデザイン的に受け入れられるので、選んだり考えたりするのが面倒になったときは無印に来て全部まとめ買いをすればいいかと思う。困ったときの無印良品という感じ。
夕方、リサイクルショップを覗いてみる。デロンギのオイルヒーターがすごく安く売ってあった。一瞬買って帰ろうかと思ったけど、しかしオイルヒーターってあまり暖かくならない上にバカみたいに電気代も掛かるというし。贈答品のタオルを買った。無印より安いみたいだし、食器とかもこういうところで買っていってもいいかも。2、3店回ればそれなりに無難なものが揃いそうではある。手間をとるか値段をとるかというところ。
帰宅してすぐにセコムの営業の人が勧誘にやってきた。こういうのってここの物件に人が入りそうだというのを逐一チェックしているのだろうか。けっこう早いなあと思った。なかなか優秀なんだなあ。NHKの集金はまだ来ていない。テレビを置くつもりはないのだけれど。
本日からようやく新しい部屋で寝泊まり。居住スペースは二階になるのだけど、まだカーテンがないので外から見えて落ち着かない。実家からキャンバスを持ってきて窓に立てかけたりしているのだが、半分くらいしか埋まらない。


引っ越しました

2010-03-22
ご覧の通り、自転車の置き場には全く困らない家です。改装してもらった部分も思った以上に良い感じに仕上がっていました。
「引っ越しました」などと書いている今は、実は実家に居たりするのですが…。昨日のうちに新居の鍵を受け取っていて、本日が契約の入居日。荷物を少し運び入れただけで、そちらには泊まらず家に戻ってきた。さすがにちょっと準備が間に合っていなかった。少しずつ、生活の場を移行させていければと。

引っ越しの日は蕎麦でも食べようと前々から思っていたのだが、そういえば食べるのをすっかり忘れていた。「引っ越しそば」は「おそばに参りました」の意にかけて、近づきのしるしに近隣に配っていたことから来たらしい。自分が食うものじゃないのか。今知った。

本屋で雑誌、『きょうの料理 ビギナーズ』(4月号)と『ku:nel』を買う。
『今日の料理』は自炊の参考書として。『ku:nel』は、いつも読んでいるブログのなかで触れられていたので。こういった感じの似たような雑誌はたくさんあるのだが、『ku:nel』は「他の追随を許さない異様な雑誌になっている」らしい。「異様」とはけっこう強い表現だなーと思い、気になって買ってみた。特集は「料理上手の台所」。


『グラン・トリノ』

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クリント・イーストウッドの『グラン・トリノ』を観る。劇場公開のときに観たので今回は2回目。これは本当にぐっとくる映画だということを再確認した。
イーストウッド演じるのは頑固で偏屈でしかもレイシストというウォルト・コワルスキーという人物で、その存在感だけでもう感慨深いものを与えてくれる。人を嫌い、偏屈な態度を改めない彼の楽しみといえば、庭の芝を刈り、愛車グラン・トリノを磨き、それらを眺めながらビールを飲むことくらいなのだが、それだって悪くはないだろうと思う。というか、それは穏やかで平和な時間であり、何にも代え難い喜びでもあることだろう。誰にも邪魔をする権利もないし、する必要もないように思われる。
だけど、それでも人は人と関わらなくてはいけないという、なんて人生は面倒で、苛酷だといってもいいようなつらいものなのだろうと思う。いくら「俺の芝生に入るな」と言っても無駄なのであって、自分の意志や、それまで辿ってきた経緯なども関係なく、あるとき突然、強制的に相手と出会い、関わりを持つ。それはある意味しょうがないことで、だけどどんなに理不尽であろうと、そのようにして出会うモン族の家族との関わり方が、何よりも愛おしく、可笑しく、すばらしいものであると感じられたりもするのだ。
そして、最善を尽くそうとしても結果的に最悪の事態を招き寄せることもある、ということが、目を背けたくなるような残酷さでもって描かれる。最後に下したコワルスキーの決断というのも、あまりにつらくあまりに痛ましく、それでいて何かが解決したのかといえば解決はしていないような、なんともいたたまれない思いに駆られるのだが、コワルスキーはそうしたのだ、というよりほかにない。彼の美学がそうさせている。決着をつける前に神父に向かって「俺の心は平穏だ」というようなことを言うのだけど、そこでの覚悟は、こうした形で結末を迎えようとする覚悟だったのだと思うと本当に胸が締め付けられた。
生きていくことがどんなに理不尽で苛酷なものであっても、それに立ち向かっていかなくてはいけないし、許せないことは許せないのだ。『グラン・トリノ』が感動的なのは、イーストウッドがそうした生き方を描いているからだと思いました。


『マン・オン・ワイヤー』

このところ雪が降ったり暖かだったりで、なんとも安定しない天候である。とはいえ雪が降って朝方少し積もっても、昼にはすっかり溶けてしまうのだからもう寒さも大したことはない。今日はよい天気で、昼休みに外に出たらあたたかくて、それもちょうど良いあたたかさ。あまりあたたかくなっても、ちょっと厚着していたり動いたりすると暑いと感じてしまって嫌なのだ。厚着した服装であたたかいと感じられるくらいが好きな気温。もう少しすると桜が咲くだろう。そうしたら昼休みは公園に行って弁当を食べよう
冷蔵庫はなんでもいいと思ったので入居日に届くようにネットで注文してしまおうと思い、どれにしようかと製品のページなどを見ていると、冷蔵庫には冷蔵庫の比較条件となる、サイズ、容量、消費電力、静音性などの要素があって、で、一旦気にし出すと、もはや何でもいいというものでもなくなってきた。一人用の小さいタイプの物にするか、少し大きめの中型のものにするか、で迷うけど、大は小を兼ねる方式で選んだ方がいいかもなと思う。置き場所の問題もあるので、部屋の寸法を測ってから買ったほうがいいのかもしれない。ということで購入は見送り。結局、引っ越ししてもしばらくは家電製品のない生活に。
無料で借りられるハガキが届いたのでツタヤに行った。『マン・オン・ワイヤー』を借りてきて観る。9.11で崩壊したワールドトレードセンターの屋上にワイヤーを掛け、実際に綱渡りをしたという、信じ難い行為をやってのけたフィリップ・プティのドキュメンタリー映画。

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家電と家具

引っ越しの日が近づいている。ぜんぜん準備ができていない。
電器屋に行っていろいろと家電製品を見て回る。機種名と値段をメモする。ネットの通販の価格と照らし合わせてみると、断然ネットの方が安い。電器屋では新生活フェアで冷蔵庫と洗濯機とレンジの三種の神器セットみたいな感じで売っていて、これだと安いのかもしれないけど、中身がちょっとなーと思う。冷蔵庫と洗濯機はともかくとして、オーブンレンジはどうせなら良いものが欲しい。お菓子作りもしたいので。
知人に天童木工のカタログを見せてもらった。そりゃあ家具なんかも必要といえば必要なのだけどさ、だからといっていきなり天童木工を買おうと思っているわけじゃなくって、というか天童木工なんて買えっこないのだが、縁あってカタログだけが手元にやってきた。見ていると間違いなく物はいいんだろうなーという感じが充分に伝わってくる。お金がたくさんあったら揃えたいものですな。
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福島県会津若松市/地震

仕事で福島県会津若松市へ。夜はこのところ感じたことのない寒さに冷え込んで、小雪がちらついていた。地震があったときはホテルの8階の部屋にいたので、ぐらぐら揺れて、これはまずいんじゃないかと不安になった。テレビをつけて地震速報を見ると震度3だった。この地震で揺れているときの焦燥感というのはなんだろう、ちょっと独特なものがあるというか揺れの大きさいかんに関わらず否応なく立ちすくんでしまう。
この度の仕事は社の長も一緒だったのだが、夜に居酒屋に行ったときに会社の展望のようなものを滔々と、というほど弁舌巧みでもないのだが、語った。なんというかたいへんバイタリティのある人だと思うし、それは良いのではないかと思った。そこの居酒屋の隣が蕎麦屋であるらしく居酒屋のメニューにもそばがいろいろと書かれていて、酒を飲まないので頼んではどうかと社の長もすすめてくれたので、私ひとりかき揚げとかけそばを食べた。
次の日、仕事を終えて山形へ帰り、家に帰った。
夜、デヴィッド・リンチ監督の『ロスト・ハイウェイ』を観る。途中あまりに眠くなり、一時停止のボタンを押すやいなやすぐに眠りこけてしまった。次の朝、目が覚めるとまた再生を押した。


『ツイン・ピークス』『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間』

『ツインピークス』を最後まで観た。話がものすごいほどの尻切れとんぼで終わっていて、DVDの最終巻を借りて来なかったのかと思った。この前は「話の収まり方なんかどうでもいいのかも」みたいなことを書いたのだったけど、製作者の方がそれよりはるかに上回る度合いで「どうでもいい」と思っていたんじゃないのだろうか、などと勘ぐってしまうほど。一応テレビドラマなので、いろいろな製作の事情なんかもあったのだろうけど、それにしたって普通はもうちょっと終わりらしくまとめると思うのだが、ほとんど解決しないままに話は途切れ、それもやけに後味の悪い感じのラストであった。
『ツインピークス』という話はもう、人間関係もどんどんこじれて複雑になっていくし、いくらでも話が続いていくもので、最初から、これは終わりに向かって進んでいく話ではないなーというふうには観ていて思ったのだけれども。最初のほうがすごくおもしろくて、途中はそんなにでもないなーと思っていたのだけど、最後のエピソード数話はまたおもしろくなったと思った。
ついでに『ツインピークス ローラ・パーマー最期の7日間』を観る。こちらは『ツインピークス』の引き金となったローラ殺害事件の真相をローラの視点から描いたもので、だけどこれはローラの最期という終わりのある話なので、個人的には『ツインピークス』的なおもしろさはあまりないのかもなーと思った。

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