二月の終わりの日。

洗濯日和、とはとてもいえない曇天で、雪まで落ちてくる。だけど溜まった洗濯物をどうにかしないといけないので、午前中は洗濯を。洗濯機を二度回した。冬の間はとにかく洗濯物が乾かなかったので、実家に持って行って洗濯したりしていたのだが、最近はコインランドリーの乾燥機が便利だということに気づいた。今日もコインランドリーに持って行って、20分(200円分)だけ乾燥機を回す。その間に、ちょっとずつ読んでいた村上春樹『雑文集』を読み終えた。
昼はしらすと大葉のパスタを作って食べ、それから紅茶を飲んだ。紅茶はこの前、別の袋を開けてみたところで、今度はフレーバードではなく普通の紅茶を試してみた。香り付されたものより紅茶自体の香りがとてもよくておいしかった。そういえばこの前「ルピシアだより」も届いた。試飲のお茶も付いていて得した気になった。
午後からは映画を観に行くつもりでいて、それから夕飯はカレーを作る予定でいたのだけど、映画に行く前に作ってしまうと思い立って、野菜を切り、豚肉のかたまり肉を切り、炒めたり煮込んだり。そうこうするうちに上映時間が迫ってきたので、ルウを投入する直前で火を止め、結局カレーは完成しないまま、映画館に向かった。
映画館でチケットを買って席に着くと、たまねぎを炒めたり煮たりした匂いがべっとり服に染み付いたままで来てしまったことに気が付いた。これはもしかすると周りの人も臭いと思っているかもしれない。たいへん申し訳ないな。という心配も、だけど、映画が始まってしまうと吹き飛んでしまった。冒頭の津波が押し流してしまった。
帰りに本屋に寄って、佐々木俊尚『キュレーションの時代』(ちくま新書)、雑誌『Casa BRUTUS』三月号を買った。本屋の向かいのシベールカフェでコーヒー。


『ヒア アフター』

観に行った映画はもちろんクリント・ イーストウッド監督の『ヒアアフター』で、前作『インビクタス』を観たときの本作の予告で、津波の映像の印象があったもので、これは津波の映画なのかと単純に思っていたら、登場人物の一人が津波で死にかけて見ることになる、「死後の世界」(hereafter)がモチーフなのであった。
「死後の世界」を巡って三人の物語が並行し、最後に一緒になるというストーリー構成。その中の一人、マット・デイモン演じる霊媒者の男がけっこう変わった造詣になっていておもしろかった。霊と交信できてしまうがゆえに他人と良い関係を築くことができないのだが、ディケンズに陶酔していたり、イタリア料理の教室に習いに行ったりと、趣味もなんとなく変わっている感じがあって好感が持てる。
その料理教室の場面が本当にいいんですよね。アイマスクをして食材の味を試すシーンなのだけれど、目隠しされるためによりいっそう五感を感じさせる場面だったりして、そこにキュートな女性の唇があらわに投げ出される…!
読んでいる他のブログでも「料理教室のシーンは良い!」というようなことを書かれていたのが複数あって、やっぱりそうですよね、と共感するところでした。


出張日記/新潟県新潟市

また日記が滞ってしまった。その間何をしていたのかというと、まあ変わりばえのない生活をしていたのであるし…いや、変わりばえはあったかもしれないな。まあいいや。
いつもの仕事日記というか、どこ行った日記でも記そうと思うのだけど、先々週は新潟の柏崎市に行って、先週は新潟市であった。新潟市内は久しぶりだな。金曜日、土曜日と連泊。
駅前を少し歩いた。できればちょっと買物をしたかったのだけど、両日ともに時間がなくて、夜になって出歩く頃にはすでに店が閉まっていた。夜はまだ冷えるみたいで、少し雪が舞っていた。でも、舞っているというだけで、このくらい平気だと思える。もうなんか、冬ではないなと感じられる。
それにしても、と思った。この冬は、寒い寒い北東北の方面には行かされなかったな。それは前にも書いたけど、とうとう本当に、冬の青森には行かずじまいだった。
もちろん行きたかったということではないのだけど、冬期間の厳しい時期に青森に足を運ばなかったのは、この仕事を始めてから今年が初めてなのではないか。あの息も出来ないほどの吹雪や、車線が見えなくてどこを走っているのかわからなくなる雪道や、それにまた、あの津軽弁のイントネーションなどを、今年は味わうことはなかった。


キャラメルピーナッツタルト

Caramel Peanut Tart
落花生をパキパキ剥いていた。豆は国産のものだったけど、丸々としたものと小さく萎んだもの、甘いのと苦いのとがあった。品質はあまり上等とは言えないな。そこらのスーパーで売っているやつだ。節分のときに売れ残ったものを安く買ったんだっけか。殻のくずが、うんざりするほどそこらに散らばった。
ピーナッツのタルト。ぎっしり感あふれるナッツのタルトなんかを、そのうち作ろうかと思っていたのだけど、さしあたってピーナッツだけで、素朴なやつを作ってみました。
味に一工夫というか、タルト生地に前に作ったキウイジャムを薄く敷いて、そこにアーモンドクリームを詰めたのだけど、このキウイの酸味がキャラメルのマイルドな甘さと衝突。これってまずいのだろうか、おいしいのだろうか、と、思わず眉間にしわが寄る、なんていうほどでもないけど複雑な味がしました。
タルトの生地は、前回、前々回のと同じもの。最初に作ったものを3つに分けて使い回ししたものです。
今回は生地の状態があんまり上手にいかなかったので、ちょっと扱い難かった。最初のときで「あ、だめだ」とは思ったんだけど、捨てずに結局ぜんぶ使ってしまいました。最後の切れ端はクッキーにするという、なかなか良くやってますね。我ながら。
Cookie


図書館に、

本を返しに行くついでにまた新しく借りる、というサイクルで、お金を掛けずに読書をちまちま続けているわけで、今日は仕事が終わったらまた図書館に行ってこようと思っていたのだけど、昼休みに借りる本の目星を付けておこうとホームページから蔵書検索をしようとすると、なんと図書館は蔵書整理か何かの最中で2月28日まで休みらしく、えー! と思った。読む本が手元に何もなかったから。
なので、たまには買ってみるか…!などと決心したというほどでもないけど、さすがにまだ10日以上もあるのに何も読むものがないのも困るから、何か仕入れてこようと帰りに本屋に寄ってきた。
ところが探していた本も見つからなくてうろうろ。そうこうするうちに今度は、まあ10日間くらい本など読まなくても別に構わないんじゃないか、何もそんなに活字中毒なんかじゃあるまいし、本を読まないで別のこと (掃除とか英語の勉強とか、来るべき春に備えて自転車の整備をするとか)に時間を費やそう、などと気変わりしてきたのであったけれど、店を出るときに新刊本が平積みになっているコーナーで目に付いた村上春樹の『雑文集』を結局買ってしまった。
本屋の向かいのシベールのカフェでワッフルとホットミルクを頼んで、ちょっと読んでから帰宅した。

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マーク・トウェイン『ハックルべリィ・フィンの冒険』

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『ハックルべリィ・フィンの冒険』を読了。
これはすごい。ヘミングウェイが、すべてのアメリカ文学は『ハックルべリィ・フィン』から始まるといったのは有名な話なのだそうだけど、これは本当に紛れもない傑作でした…! 一章読むたびに溜息をついてしまう。ふぅ。
この本ではトムとハックの対比が一層際立っていて、ハックは逃亡奴隷のジムを救うのにあたって切実な葛藤があって、そして「地獄まで行ってやろうぜ」と決意する。その健気な覚悟に対し、後半に登場するトムは、ジムの救出を完全に遊びに仕立て、どれだけ立派な脱走ができるか、を徹底して演じ切る。ここは実は遊びというよりもほとんど茶番劇のようなもので、上のように賞賛したヘミングウェイも、この部分は読むに値しない、みたいな評価をしているらしい。
確かにトムはすごく頭が切れる少年で、それだけ何でも計算して自分の思い通りに事を運ばせようとするあたりは鼻につくし、その振る舞いは、それまでのハックの、雄大なミシシッピの流れに身を任せるような、大らかな奔放さを邪魔していたりもする。だけどその作品の展開を破壊しかねない、こういう部分が入ってくるのがおもしろい気がする。この渾然とした有り様が、他でもなくトムとハックの物語というものなんだろう。たぶん。


外食日記/ 福島県いわき市

金曜日の朝から福島県の太平洋側へ。雪。この辺りは雪の降らないところなんじゃなかったのか。いや降ったっていいけど、よりによって今日降らなくったっていいじゃないか。しだいに吹雪になった。目の前はみるみるうちに雪で白くなっていった。おまけに手がしもやけになった。
仕事を終えていわき市内のビジネスホテルに入り、びしょびしょに濡れたものを広げて乾かしておいて、外にご飯を食べに出た。
普段は外食はまったくしないようにしているけど、出張に行ったときは必然的にそうなる。でもまあ、外食もいい。どうせならちゃんとしたものを食べたい。その土地土地の食べ物を食べたいというのでもなく、コンビニの弁当などで済ませるのは避けたい、といった程度なのだけど。
とはいえ雪は降り続いていてそうした気持ちも消極気味だったけど、近くに何か食べるところはないか探しに行ってみることにした。
それで何を食べたのかというと、インド人がやっているインド料理屋でカレーを食べた。一番安いディナーセットのAを頼んで、ナンとチキンカレーとサラダを食べてチャイを飲んだ。インド人の店員が五人くらいいて客はほとんどいなかった。なんといったらいいか、インド人がやっていて象の神様のポスターが貼ってあってインドのミュージックビデオが流れている、というような、典型的なインド料理屋の要素を律儀に揃えているといった店で、他に特筆すべきところがまったくないのだけれど、カレーやナンが美味しくなかったわけではないので機会があればまた来たい。
インドカレーといえば三沢や弘前のインド料理屋にも行ったっけ、なんて思い出していたら、そういえば、この冬は一度も青森に行っていないな、と思った。今年はどうも南の方に縁があるようだ。
翌日も雪がちらつく寒い一日となった。
帰り道、東北道から村田ジャンクションに入ってぐーっとカーブするところで左手にビニールハウスがあって、何が栽培されているのか知らないけど暖色の明かりで半透明のハウスがぼわーっと内側から発光しているのが見える。一瞬しか見えないのだけど、暗闇の中に浮かび上がるビニールハウスがちょっときれいだなと思う。