1231

大晦日。実家で掃除。
そば。ばあちゃんが来年の日記帳を買ってこいといって2千円を渡す。歩いて本屋に行く。高橋書店の「当用新日記」。おつりはお駄賃。雪がのそのそ降ってきた。店の前のかさ立てに置いていたかさがなくなっている。同じ水玉のかさがあったので、間違えていったのかなぁ。水玉の大きさはぜんぜん違うけれど。

夜、餅、カニ。
「カラマーゾフの兄弟」の第2巻目を読みおえた。


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朝起きたら風呂に入る。風呂の残り湯で洗濯をする。洗濯物は家のなかに吊るしておく。今日は実家に帰るので、来年戻るまでには乾くよね。

雨がかすかに降っている。雪ではなくて雨。かさをさして、ひさしぶりの散髪に行く。お客さんがいっぱいで、30分待ちだとか。ところで床屋談義という言葉もあるくらいだから、床屋では髪を切りながら四方山話をくっちゃべるものなのだろうか。たぶん、たいてい店員はそうするのが好ましいと思っているらしく、仕事はどうだとか休みはいつまでだとかどうでもいいことを話しかけてくるものなのだが、この店でいつも私を切ってくれる人は、きわめて口数が少ない。今回もお互いにほとんど口をきかずに髪を切り終えた。仕事はどうだとか休みはいつまでだとか、どうでもいいことを聞かれないのでいい。肉まんと缶コーヒーを配るというキャンペーンをやっていた。


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朝、ちょっとこれまで経験したことのないような濃い霧。ほんとうに何も見えない。近づくと、人や車がぼわっといきなり現れる。お昼頃に外に出てみると、今度は雲ひとつない澄み切った空。


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道路の上で、車のタイヤや人の足跡がそのまま凍りついた氷を踏むと、驚くほどの高く響く音を立てて崩れていった。家にたどり着くと、そのままにしていた台所の流しが凍っていた。どんぶりに氷がはっていた。
しかしこの家はずいぶん寒い。放っておくとどんどん熱が奪われて芯まで冷えきってしまうようだ。外とまるで同じ寒さ。というより外より寒い。いや、寒い寒いといいながらその実、そういえば、今年はまだ湯たんぽを使用していないことにいま気づいた。布団に敷き毛布を一枚追加したせいだ。床に漏れ出ていく熱がずっと少なくなっている。


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雪が降るなかどうして外に出なくてはならないのか。ほら、渋滞までしているじゃないか。ぜんぜん進まないじゃないか。路面はつるつるだし危なっかしい。どこへ行こうというのだ。だいたいこんな雪の日に外へ出ないといけないことが、みんな疑問に思わないのか。雪とか関係ないとか思っているのか。関係あるだろ。雪が降っているんだぜ。もうちょっと気候の変化に左右されるのが本来なんじゃないのか。雪が降ったら家のなかでじっとして、ひたすら寝そべったままでいればいいのだ。どんな気候でも変わらず生活できるなんて人間の驕りだと思うよ。こんな日に外に出るなんて、氷でできた蟻地獄に落ち込んで二度と上ってこれないような、ろくなもんじゃない。


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洗濯。風呂そうじ。水が冷たい。ご飯を炊く。いつもの通り、今日食べる分だけ器によそって、残りは冷凍。だいぶ冷凍のストックができた。昼はレトルトのカレー。レトルトといっても高級なものだ。神戸のどこぞのカレー屋がおそらくは精魂込めてつくったものだ。ところが封を切ったときに立ち上る香りが、そこらの100円くらいの、いかにもレトルトといった代物とまったく同じだった。これはパッケージだけ格好よくしているだけで、ほんとうのところ中身はわからないぞ、と気を引き締めて食す。いや、でもどうなのか。まあたしかにおいしいような気もする。

窓から日中の冬の光が入ってくる。窓ガラスは半透明のもので、さらに窓枠には寒さの対策のためプチプチのシートをかぶせているから、自然光は二重に和らげられて、部屋のなかに入ってくる。部屋のなかで光は薄明るいところと薄暗いところと、むらっけをもってにじんでいく。


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お昼を食べてから歩いて出かけた。澄んだ色合いの空や、さらさらした風が、これは歩くよりも自転車のモードだと思えてきたので途中で引き返して自転車にまたがって出た。

なにはともあれ温泉に向かう。今日は沼木温泉に行こうと考えた。そしてそこには私が温泉でやりたいとつねづね思っていたことを実践されている人がいたのであり、私はそれを初めて見た。というのは、雑誌を読みながら湯船に浸かっていた人がいたのだ。悠然と鼻歌までうたっている。家では私もよく本や雑誌を読みながら風呂に入っているのだが、より広々とのんびりしたい温泉でこそ、入浴と読書を同時に行えないものかと考えていたのだ。すでに実践している人がいて軽く感銘を受けた。私にはいつも実行力がなく、人に先を越される。

残念ながら私は湯船で読むことはできず、あがってから大広間で本を読んだ。ここの大広間はきれいだけど少し狭い。採光のために少しあけられた障子のすきまからは驚くべきほどの光が室内に入り込み、ページの活字がまばゆく見えた。暖房は効きすぎていた。テレビの前に陣取った老人が温泉から戻るなりテレビをつけ、駅伝を見ていた。音量を下げてくれたのがありがたかった。少し眠った。もう一度風呂に入りに行く。今度は着物の脱ぎ場もいっぱいになるほどの人がいた。

夕方になると、大広間は貸し切り状態。『カラマーゾフの兄弟』の一巻目を読み終え、一人でしばらくテレビをみていたら、係員がやってきて「5時半までなんですが…」と言った。もう6時を回っていた。外に出ると吹雪状態だった。暗く、冷たくほとんど前も見えず、自転車をこぐ。

夜、DVDで黒澤明『天国と地獄』を観る。


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ご飯を炊いた。おにぎりをにぎった。外はほんの少し雪が舞っている。朝起きて最初に外を見たときは、地面は乾いていたはずだった。それがいまとなっては黒光りする、ぬめぬめした粘膜のような路面。その表面に立っているだけで、湿気は靴底から吸い上げられじわじわと足元に浸透していくようだ。それでもしょうがない。かさをさして出た。

駅の脇の跨線橋を越えて、郵便局まで行く。郵便窓口だけやっていて、銀行はやっていない。七日町通りを歩いて本屋に寄る。カラマーゾフの別の訳を少し立ち読みしてみる。本屋の次に、少し前に店構えを新しくしたけどそれから行ったことのない自転車屋に行ってみる。県立図書館に行き、新聞を一紙と出版社のPR誌をソファに座って読み、DVDを借りる。それから北のほうに、いまだに市内の位置関係や道路のつながりを地図的に思い浮かべることができないのだけれども、北のほうにいって、ブックオフに寄って数冊文庫本を買い、スポーツ用品店に行き自転車と靴をちらっと吟味して、さらに予定としてはもう少し先の温泉まで歩いて温泉に入ってこようと思っていたのだけれど、寄り道しすぎで時間がずいぶんオーバーしているので、ここで帰ることにした。歩きながらおにぎりを食べた。肩から背中にかけて、荷物を背負っているためにしんどく、ようやく家の近くのマクドナルドにたどり着き、コーヒーを飲んで帰った。

夜、図書館から借りてきたDVDで『インセプション』を観た。ディカプリオ主演で夢の中でいろいろ戦う映画。