8月の読書

お盆は、お墓参りなどに出向いたほかは、自転車乗りに行くこともなく実家でごろごろと寝て過ごしていた。8月の読書はだいたい次のようなものだった。磯崎憲一郎『往古来今』、ちくま文庫のチェーホフ全集2、堀江敏幸『回送電車』、村上春樹『1Q84』BOOK2、保坂和志『考える練習』。このへんまでがお盆休みのうちに読んだ。

休みが明けてからは堀江敏幸『なずな』を朝と夜にちびちびと読んでいた。繊細な、しっとりした感触でほっとする。日々楽しく生きることがままならないという状況でも、こういったいい小説でも読んでりゃまあいいか、と多少なりとも気持ちを楽にさせてくれる。

で、その後はウラジーミル・ソローキンの『青い脂』。これがまったく不可解な文章で何をいっているのかさっぱりわからない。ドストエフスキー2号? なんのこっちゃ。これは集中して集中して一気に読まないと読めないかも、ということで、休みの日に、喫茶店でじっくり読む。難儀して字面を追って行くとそのうち話が急に展開していく。「青い脂」という謎の物質が運ばれて行く過程で、めまぐるしく登場人物と場面が入れ代わっていき、行き着く先は時代を飛び越えて1954年のスターリンのもとへと。ぶっ飛んでいる。


|  

0825 落車後あれこれ

20130815
初めて本格的に落車したので、一度見てもらおうと自転車屋に持っていった。ハンドルの曲がっていたのを手でグッと押して、まっすぐにして(ああ、ここはこんな簡単な仕組みで付いているのか)、「これでちょっと乗ってみて」と言う。でまあ、近所をひとまわりして、問題ないね、という診断が下されたのであった。いろいろと点検修理、時間も費用もそれなりにかかるのかなあと思っていたので、あまりあっさり返されたので拍子抜けした。

あっさりしすぎて不親切なんじゃないのと一瞬感じなくもなかったのだが、でもまあ、自転車の状態がよいか悪いなんていうのは、結局は自分の感覚なのだろうと思い直した。「問題があるときは乗っていて気づくはずなので、そのときは無視しないでください」と言うのは、たぶんその通りなのだ。不親切なだけだったら、そう言わないんじゃないか。

それで、お盆休みの間は、さっぱりロードバイクに乗っていなかったのだが、24・25の休日に久しぶりで乗る。ペダルを踏む加減がそのまま反応する感じ。やっぱり問題は感じられない。体の調子も、久しぶりのわりにはけっこういいなあと思っていたら、途中から膝が痛くなり…。急に張り切りすぎた。

 

それと、ジャージ。アスファルトに打ちつけられた際に、ジャージもレーパンも無惨に破れてしまったわけです。レーパンはwiggleで買った安物だけど、ジャージはわりと奮発して買ったもの。悲しいことに買ってからまだ何度も袖を通していないのだ!

だけど、さすがに高いだけあるというかRaphaのホームページを見ると落車でダメージを受けたものは無償で修理してくれるらしい。すばらしい。早速送った。しかし状態によっては修理できないこともあるとのことだ。まずは日本の支店経由で、本国まで行くらしい。まだ戻ってきていないところをみると今頃は英国に旅立ったのだろう。ちゃんと修理されて帰還することを願う。


0809 プチノエル

20130809

 

会社の同僚と(男二人で、なのだが)食事をしに行く。前に「いやあ、おいしいものを食べましてね」などと自慢げに話したら、けっこう食に興味を持っている人だったので食いつきがよく、今度一緒になにか食べに行こうということになったのだ。

コースの料理の、前菜から始まって魚料理、肉料理、へと続いていく一連の流れのたのしさ。一皿ごとに、その都度、その皿の世界にずぶずぶと引き込まれていく。そうやってどこまでも深く沈んでいくのに身を委ねるようにして時間を過ごすことの悦楽といったら、これはなかなか追求したい遊びだと思う。

デザートはあっさりしたものとこってりしたもののどちらがいいですか? と聞かれたので後者を選ぶと、運ばれてきたのはムースショコラとココナツのアイスクリームとチョコのシフォンケーキとが一皿に乗ったもので、すでに頃合いもよくなった胃袋に、それらをだめ押しのようにどっしり収めていく満足感は何にもかえがたい。


男鹿半島 127km(ツールド東北 2)

20130804

 

2日目の朝、6時に起きた僕はそそくさと歯磨きと着替えをして日焼け止めを塗ったあとでチェックアウトを済ませた。入り口の脇で自転車を組み立て、2Lのペットボトルから水をボトルに補充する。エネルギーバーをもぐもぐ食べて、空を見上げる。晴天。朝から日差しがじりじりと照りつけていた。

まずは北へ向かって走り出す。いやあ、さすがに200km分の疲れは抜けきらない。疲れ、というか痛み。乗りはじめからお尻が痛い…!

秋田ポートタワーセリオンを通り過ぎ、海沿いのまっすぐな、なにもない道を走る。平坦なスプリント区間だ。だんだん調子が乗ってくる。ペダルを踏めば踏むほどスピードは上がって、ああ気持ちがいいと思ったのもつかの間、まっすぐ過ぎて変化のない道にすぐ飽きた。

20130804

20130804

20130804

 

このまま海沿いを走って、本日の舞台、男鹿半島へと向かう。

するといきなり巨大ななまはげ像がお出迎え。観光客が次々やってきて、このなまはげと同じポーズで写真を撮っている。端で見ているとおもしろい。

20130804

20130804

 

気がつくと半島に入っていた。もう30kmほど走っていることだし休憩もとらないと、ということでコンビニ休憩。おにぎりと野菜ジュースをとる。コンビニを出て少し行くと、後ろからいかにも走りそうなローディ2人組がやってきた。なんなく抜き去っていく。うーん、このお尻の痛さでは追っていく気にもならない。

20130804

 

鵜ノ崎海岸。キャンパーたちが多数。

20130804

 

ゴジラ岩、は素通りしてしまったが、岩場に降りていくと、まんま怪獣のような岩が現れるらしい。

20130804

 

ここまでは海岸沿いの平坦な道をらくらく気持ちよく走っていたが、そのうち坂道に差し掛かった。と、そこになまはげ像が再び登場。ババヘラアイスを買って小休止。

20130804

 

ここからアップダウンの激しい道が続く。海岸沿いというより断崖沿いのような道。こんなアップダウンもぐいぐい踏んでいく脚力があればさぞかし気持ちがいいのだろうが、秋田市内からここまで来ただけでもう体力に余裕はなし。山を越えるのでもない、ただ海岸沿いに半島を回る道がどうしてこんなにつらいのか!

時折、車が追い抜いていく。後部座席の子どもがこちらをおもしろそうに見ていたり(笑っていないで飲み物かババヘラを手渡してくれ)、オープンカーのおっさんが手を振ってくれたりした(登りに強い極上ホイールを出してくれ)。

20130804

 

男鹿水族館GAO。

20130804

 

また海水浴場があった。のんびり楽しそうな雰囲気だなあ。この砂浜を通り過ぎると、ほどなく道は海岸から離れ、登り坂へ。場所によっては、えっ、と疑いたくなるほど登りがキツい。ふらふら。

20130804

 

疲れと暑さで、まるっきり集中力を欠いていたと思う。緩やかな下りは、とにかく休みたかった。ちらっと前を見て、しばらくまっすぐだと見てとると、顔はもう下を向いて流れるままにしていた。

それで、ふらっと左に振れたのだ。草むらに突っ込みそうになった。焦ってハンドルを戻そうとしたときには、タイヤはアスファルトから外れていた。段差にタイヤが引っかかり、落車ーー。

路上に投げ出された。その瞬間、痛みというより、アスファルトの固さと熱を感じた。立ちゴケとは比較にならない衝撃。ああ、やってしまったなーと思う。立ち上がっておそるおそる自転車を見てみる。前輪が回らない。ハンドルバーが曲がっている。前輪は、ブレーキがよじれてタイヤに押し付けられていた。手で戻してやると直った。ハンドルバーは曲がっているのでなく、レバーの持ち手が曲がっているだけのようだ。なんとか走れそうだ。変速も問題ない。

あらためて自分の体を見てみると、すり傷があちこち。肩と腰がひどい。レーパンとジャージに穴が空いていた。レーパンの穴は痛々しいというより変態っぽい感じなので、下は短パンを履いた。

しかしこの程度で済んでほんとうによかった。スピードが出ていなかったのが幸いだった。というか、スピードを出せるくらいの元気があったら、たぶん転んでいない。まるで転びようのない場所だったですよ…。

 

ともかくも半島の末端、入道崎を目指してゆっくり移動を再開する。待っていても極上のカーボン・バイクに交換してくれるチームカーは来ないのだ。やれやれ。だんだんとけがの痛みが感じられてくる。

入道崎へ着いた。ああ、到着の記録写真だけさっさと撮って休もうと思っていたら、気のいいお兄さんがニコニコして近づいてきた。「写真撮りましょうか?」 あのさ、さっきものすごい勢いで転んだんですよ、ほら、ひざから血も出ているし、写真どころじゃないんですよ。…なんてことは言わず、勧められるままに写真を撮ってもらった。

20130804

 

入道崎はもっとも観光地っぽいというか、観光客向けの土産物屋が立ち並んでいる。そのうちの一軒に適当に入り、海鮮ラーメンを食べた。おしぼりとティッシュで血を拭いた。

20130804

 

また走り出す。走るよりしかたがない。転んで怪我した痛みより、昨日から蓄積されている疲労で走るのがつらい。満身創痍。残る力を振り絞って最後の目的地、寒風山へと向かう。予定では県道55号線を行こうと思っていたのだが、後で確認すると「なまはげライン」を通ってきたようだ。なまはげ館へ向かう道もあったが、時間的にも体力的にもとても立ち寄れない。

20130804

20130804

 

さて、いよいよ寒風山の登りに入った。ところが登っているのに灯台のある頂上に近づいている感じがしないのだ。あれ、もしや道を間違えて別の山を登っているじゃないか。と思っていたら、なんと一度登ってから下り、さらに登るという…。

20130804

20130804

 

いや、そこまで標高があるわけでもないし、たしかに景色もいいし、体が大丈夫だったらすごく気持ちいい登りなんだろうけどね。いまこんな状態では泣くしかないような仕打ちだ…。この寒風山、「秋田のモン・ヴァントゥ」と呼ばれているかどうかは知らないが、どことなく「魔の山」の雰囲気が感じられる。歩くような速度でえっちらおっちら登る。

頂上に到着した。遠く秋田市まで続く、弧を描く海岸の地形が見えた。展望台の方からは、先ほど苦労して登った、蛇のようにぐねっている道が見える。すばらしい。こういった道を俯瞰して眺める景色が好きだ。

20130804

20130804

20130804

 

道を眺めてなにがおもしろいのかというと、その地形に引かれる一本の線が、いろいろと感覚に働きかけてくるように感じるからだなあと思う。自分の身体が記憶している、あれこれの感覚が再生成されるというか。ツールの空撮の中継などで、選手が山岳でも平地でも道を疾走していく様を見ると身震いするほど感動する。でもやっぱり、こうやって自分が走ったばかりの道を俯瞰できるというのは何にも増してすばらしい。

空の視点から見た、その地形の上に引かれる線のあり様というのが、いま僕の目に入るもののなかでいちばん魅了されるものかもしれないと思う。

 

すべての任務を果たした気分。山を下ったら、すぐ近くの駅からもう電車に乗ってしまおう。当初の予定では秋田駅から乗る予定だったが、秋田まで行くのは無理。

というわけで脇本駅に着く。時刻表を見ると、次の電車まで2時間近く待たないといけないとか…。これだったらゆっくりでもチャリで行った方が早く秋田に着くじゃないか。もう少し先まで自走するか…。(ここで間違えてガーミンをリセットしてしまった…)

20130804

 

なんとか追分駅までたどり着く。ここを本日のゴールとしよう。走行距離127km。

輪行体制を整え、電車に乗り込む。

20130804

20130804

 

秋田駅で乗り換えに一時間ほど。時間つぶしの読み物と弁当を買う。駅の構内にもなまはげがいた。

奥羽本線で新庄へ。新庄でも乗り換えに一時間ほど待つ。接続がよろしくない。新幹線には合わせているようだが、在来線はまるでダメな路線である。電車内は冷房が効きすぎていて寒くなってきた。ウインドブレーカーを着ても寒い。寒気がする。だけどそれでも冷めない興奮がどこかの奥の方にあって、それはすり傷がジンジンと痛むのに伴って体中に波紋を広げているかのようだ。ああ楽しかった。

男鹿半島はほんとうによかった。観光地としておもしろいということではなく(もちろん観光地としてもおもしろいが)、ロードバイクで走るコースとして道それ自体がおもしろい。こけたのはまあ痛恨の極みだとしても、それにしたって、よかったと思う。

 

山形に着いたのは10時過ぎだったか。家に帰り風呂に入ると、擦り傷がしみまくって気絶しそうなくらい痛い。

20130804


山形-秋田 213km/ ひとりぼっちの「ツールド東北」へ

20130804

 

目が覚めるとすでにお昼近い時間でガクゼン…という夢を見た。焦って目を覚まして時計を見ると5時前。そのうちアラームが鳴った。目覚まし時計より早く起きる、待ち望んだ遠足を迎える朝の、正しい起き方じゃあないか。

今日から遠足を始めようと思う。もちろん自転車で。

さあ早く出よう。走ったことのない距離だから、どれだけ時間がかかるのかわからない。さっと荷物の確認をする。携帯、財布、補給食は持った。着替えは、かさばるから持っていかない。短パンと薄いウインドブレーカーだけ持っていく。できるだけ身軽にしよう。いつもの乗り方のままで。遠くへといっても、いつもの道の延長に過ぎないじゃないか。

 

5時30分スタート。朝日がまぶしい。

20130803

20130803

 

30km地点、1時間ほど走ったところのコンビニで最初の休憩。

20130803

 

雲行きがあやしい。このところずっと雨ばかりが続いていたが、この週末は晴れマークがついていたはずだった。昨日は天気予報を確認していなかったが、晴れに決まっている。そうじゃないのか…?

ああ…雨が、降ってきたんである。空からの雨粒とタイヤから吹き飛ばされる飛沫で、あっという間にぐしょぐしょ。早めに降りやんでほしい。一日この天気を走るのは、つらい、というか気分的に惨め。カラッと晴れてくれれば、こんなのすぐに乾くのになあ。おまけにガーミン510のナビが不調で動いてくれない。このあたり、村山から47号線へ出る道は最短ルートを確認しながら進みたいところではあったが。

20130803

 

幸いにして、雨は上がった。道も、そんなに遠回りせず47号に出たようだ。最上川に突き当たる。ここから西へ。酒田へ。

20130803

 

45号線に入るとき、ちょうど、4、5台くらいで走行している自転車が後ろにちらっと見えた。どうしよう、先行していると、変な競争心というか見栄が芽生えてしまう。いやいや、こんなところで頑張ってしまうと後で走れなくなるぞ、むしろさっさと追い抜かれた方がいい、でも追い抜かれたら後ろについていこう…などと、ごちゃごちゃ作戦を考えてしまう…。

 

結局追いつかれず、戸沢の道の駅に着いた。わあ、まるで韓国のテーマパーク!

20130803

20130803

 

一通り見て回って、売店に戻ってくると、さっきの自転車連中が休憩していた。大学生の自転車部っぽい感じの男女だ。バックを自転車の両脇にたくさんつけて、キャンプツーリングかな。いいなあ、楽しそうだな。学生時代こんなことをしたかった。…いや、それは「いま思えば」ということで、じっさい当時はそんなことをしたいとは露ほども思っていなかった。まあ、いまだってキャンプツーリングのようなゴテゴテした乗り方は、それほどでもないというか。軽さが身上のロードバイク、できるだけ軽いまま乗りたいよね。

そんなわけで単独行動が学生時代からの常、というわけでもなくもないけど一人でシッケを飲んで石焼ビビンバを食べていたら、不憫に思ったのか売店のおばさんがにこやかな笑顔で話しかけてくれた。先日の大雨では水が近くまできたこと、息子さんが小学生のときに学校の行事でサイクリングに一緒に行き、息子さん一人だけ足を着かずに坂を上りきったこと。この前成人式を迎えたが親には反抗していること…。おばさんにお礼をいって出発するころ、雨がまた降ってきた。

20130803

20130803

 

さみだれを集めて早し、と詠まれたわけで、まあ僕もこつこつと走行距離を積んでいこう。国道47号線はわりと車通りも多く、工事もしていたりで走りやすくはない。けど、きつい峠があるのでもないので、まあまあいいペースで進んできた。この新庄ー酒田区間は電車を利用することも考えた。でも自走で問題ないよね…。はたして、その判断は間違っていないものか。この先、ほんとうに最後まで走れるだろうか?

20130803

 

47号線から345号線へ。最上川はまだ隣で並走している。このへんは起伏のない田んぼ道の、どこまでも延々と続く道。だけど視界に風車がある、それだけでいつもの道とはちがう、海に近い土地を走っている感じがある。風は…どうだろう、吹いているのかどうか。ペースが上がらないから向かい風のような気もするし、単にもう脚が重くなってきたのかもしれない。しかしまだ半分の距離なのだ。

20130803

 

11時頃、100km地点、コンビニ休憩。いやあ、助かった。このままどこまでもコンビニがなかったらどうしようかと思った。ハンガーノックには注意してしすぎるということがない。カステラ、羊羹、エネルギーゼリー、水で補給。

20130803

 

7号線に出た。いよいよ海沿いの路線。まもなく道の駅・鳥海に到着。そうだ、岩牡蠣を食べていこう。道の途中の計画なんかあってないようなもので、べつにグルメの旅にしなくてもいいが、唯一これだけは目論んでいた。牡蠣を食べさえすれば、あとはなんだっていい。チェーホフの『牡蠣』に出てくるあの貧しい少年が両手を差し出して懇願したように、僕も叫ぶのだ。「牡蠣をくださあい!」

20130803

20130803

20130803

 

また、走り出して、と。近くまできていながら、なかなか見えないな、と思っていたら…ようやく見えた。日本海!

20130803

 

秋田県に入りました。しかしここからが長い。秋田は広いよ…。

20130803

 

1時半頃。象潟の道の駅。おにぎりとイカ焼きと、牡蠣。牡蠣は先ほど食べたのとも味が違う。何十キロも離れているわけでもないが、採れる場所によって味が変わるのかねえ。

20130803

20130803

 

腹は満たしたが…もうスピードが上がらなくなってきた。上げようにも上がらない。でも一定のペースで走っていれば着くよね、きっと。…実際は一定のペースで減速していったというのに近い。つらい…。

そういえば、この7号線を去年の夏も通っていたことを思い出す。ただし自転車ではなく、楽器を積んだトラックで。そのとき僕は某地方オーケストラの事務局に臨時職を得ていた。田舎の小さい小学校で行われる音楽教室。冷房などは当然ない、うだるような暑さのこもる体育館に管弦楽の音が響いていた。まるで淡い夢のように、遠くに思い出される。信じがたいことに、それはほんの一年前のことなのだ。

 

20130803

20130803

20130803

20130803

 

200kmを越えた。

20130803

 

最後はぐだぐだ走行。荷物多めのツーリストを一人追い抜いた。あんまり自転車とは会わなかったな。

秋田の市街地へ。結局ガーミン・ナビは最後までおかしいままだった(でもバッテリーの持ちはすばらしい。一日走っても40%くらい残ってた)。秋田市には以前は定期的に来ていたので、なんとなく土地勘はある。ちょうどユニクロがあったので、着替えのTシャツをゲット! ユニクロは家の近くにはなくてもいいが、旅先にはあると便利。

20130803

 

そして今日の宿、天然温泉こまちに到着! 無事、明るいうちに到着することができた。

 

本日の走行213km。休憩入れて12時間09分、走行だけで8時間59分。

(いま気づいたのだが、213kmというのは今年のツール、コルシカ島の第1ステージと同じ距離だ。これを4時間56分で走りきるとか…)

 

自転車は輪行バッグに入れて部屋に持ち込む。こんなの持ち込んだら起こられるかしら、フロントに預けるとかした方がいいのかと、少し配慮する素振りをしてみたが、誰も気にしていないようなのでかまわず持っていった。部屋というよりネットカフェの個室、壁で仕切られているだけの場所だ。ずいぶん安い。まあ安いから選んだというのでもない、宿を探したのは2ヶ月前だったにもかかわらず、どこも一杯でここしか予約を取れなかったのだ。今日は東北三大祭りの一つ、秋田・竿燈祭りなのである。

温泉に入り、ユニクロTシャツに着替えてから、歩いて会場へ。人が一杯で前に進めない。提灯をいくつもぶら下げた竿燈が、ゆらゆらと浮かぶ。その下では竿を肩や頭に乗せるという妙技を繰り広げているのだろうが、後ろからではそれがよく見えない、ただ上の方で、たわんだ竿竹の、微妙なバランスで支えられた緩やかな揺れかたというのが思いのほか美しく、とてもいいものだと思った。

スタバでフラペチーノを食べてからこまちに戻った。共用のパソコンでガーミンを少し充電してから、就寝。

20130803

20130803

20130803

20130803

20130803