ラフランスのタルトと失われた時間

48260025

 

ただひたすら暗く淀んだ曇天というのが、この時期の山形の決まった空模様であるようだった。寒かったが、厚着をしていれば耐えられないほどではない。本格的な寒さはまだこれからなのだ。厚着をしない人は寒いと言った。ときおり、気まぐれに日差しが出ていながら雨粒が落ちてくるという、ちぐはぐな天候になった。夜には当たり前に冷え込んだ。

雨さえ降らなければ週末などは自転車乗りなどをしたいところなのだが、その週末の時間さえもがどこかに吹き飛んでいった、というのがこの11月だった。ただ、その失われた時間のすべてが悪いように使われたわけではなかった。すべてが良いように使われたわけでもなかった。

お菓子をつくるのに充てられた時間は良い時間なのか悪い時間なのか判然としなかった。

 

お菓子つくりはまあ他愛もない趣味の一つなのだが、人に食べてもらうことを前提にしてお菓子をつくっているのではなかった。つくることそのものを楽しむため、というのもちょっと違う。空いた時間の手慰みからはじめたもので、なんでも良かったのだ。しいていえば、なにかかっこいいものをつくりたかった(でもお菓子ってかっこいいか?)。とまあ、つくる動機は自分でも曖昧なのだが、とにかく人に食べさせたいという気持ちはあいにく持ち合わせていなかった。だったけど…。

つくれつくれとその連中は(また)言った。ほんとうかよ、と思った。ほんとうに食べたいと思っているのか、と。おもしろがって言っているだけじゃないか。まあいいや、と思った。今回も乗せられて(というか観念してというか)製作した。それも2台。

ラフランスをのっけて焼いた。ドライいちじくをラム酒に漬けたものを、アーモンドクリームに混ぜ込んで焼いた。いちじくを加えるのは、食感の幅が広がる感じで個人的には好ましかった。定番にしてもいいかもしれない。


ハンドルグリップの交換/美しい男の子

FH000009

 

街乗り・通勤用のミニベロですが、ハンドルグリップの交換をしたのでした。ついでにシフターとブレーキレバーも交換。ハンドル回りをリニューアル。

この作業は春くらいにやろうと思っていたのでしたけどね。パーツも買いそろえていながらも放っておいたのでした。秋も深まって自転車もそろそろ終わりというころになって、ようやく。だいたいこういった作業がそんなに好きでもないというか、億劫な質なのもので…。

FH000011

 

グリップはエルゴンのGP2。グリップを取り付ける前にハンドルバーをパイプカッターで切断するなどした。なんとなくハンドル幅を短くしたい気がした。もっと短くてもいいかもしれない(見た目的に)。

このグリップは、かなりいい感じです。手のひらをグリップに預ける感じで、非常に楽に感じる。バーエンドもついているので、持ち方を変えられるのがいい。

シフターはレバーとボタンで親指1本でシフトできるやつに。以前はグリップ式のねじるタイプのものだったが、操作はこちらの方が楽。ギアが正確にスパスパ入るかというと、前とあまり変わらない。

FH000007

 

これは春に取り付けたドッペルギャンガーのチェーンホイールとクランクのセット。歯数は52T。これでけっこう走りやすくなった。ブレーキもシマノのDEOREに換装しています。

そして今回、ハンドル回りを一新。全体的に黒いパーツが増えて見た目も精悍に。

ちなみに、ダウンチューブの”bel ragazzo”というのは、イタリア語で「美少年」という意味らしい。

FH000008


二口峠の方へ

20131103

 

その日は都合により、天童の総合運動公園からのスタートだった。朝は曇りのような霧のような、視界の霞む空気だったが、自転車で走り出すころには眩しい日差しが出ていた。観光客で賑わう山寺を通り過ぎて、さらに山の奥地の方、噂に聞く二口峠へ。

つづら折りの山道をせっせと上る。ギアを軽くして自分のペースで走っていれば気持ちがいい。以前のように「うげえ、こんなの無理…」と思うことはそんなになくなった。だけどその自分のペースというのが甘すぎるというか、もう少し追い込んで走らないと速くなれないよね…と一方では思っているのだが。

山寺から1時間くらい、あるいはもっとかな、県境ゲートに辿りついた。宮城県側は未舗装路。背中のポッケに入れてきた羊羹を食べて、折り返した。ダウンヒルは恐ろしい。景色の良いポイントでもう一度止まって見ていこうと思っていたが、止まることすら困難。途中、道に迷いつつも運動公園に帰着。

 

ところで、この11月3日のことを書いているいまは11月30日で、いつのまにそんな日数が経ってしまったのかと愕然とする。時が流れたというよりも、その間の日々がそのままそっくり消滅していったかのようだ。自転車も乗らなかった。前回自転車に乗ったのが一ヶ月近くも前のことだなんて!

20131103