秋田-五所川原(ひとりぼっちのツールド東北 3)

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9月13日土曜日

旅の続きをしようと思った。

3連休の初日、休みなのになぜか仕事をしているという意味のわからない状況だったが、それが一段落着いた夕方ーー光が射しているなか土砂降りの雨が降るという変な天気だったーー、旅の続きをしなければと思った。自転車を車に積んだ。旅の再開地点、秋田までは車でいくことにした。

行けるかどうか直前までわからなかった。準備も下調べもほとんどできなかったけど、ここで行かなかったら次のチャンスは来年になってしまう。来年になったら行きたい気持ちもなくなっているかもしれない。行くなら今しかない。とりあえず走り出したらなんとかなる。

夜、秋田市内へ着いた。秋田のマイルドヤンキーが集うラウンドワンの向かい側、天然温泉こまちに宿を取った。一番安い個室みたいなのは満室だったので、ちゃんとしたシングルルームを取った。近くにあったチャイナタウンというラーメン屋で塩チャンポンを食べた。

明日泊まる宿をiPhoneで検索。楽天トラベルに「五所川原」と打ち込む。秋田から五所川原まで何キロあったっけ、前にちょっと見たときは、たしか200kmはなかったと思う。

検索に引っかかったビジネスホテルーー名前になんとなく見覚えがあるーーに予約した。

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9月14日日曜日

朝6時、7号線を北に向かって出発。前日の雨で路面がほんの少し湿っていたが、空は快晴。最初の休憩を琴丘の道の駅でとった。男鹿半島の付け根を突っ切って能代市へ。

少し海を見てみようと、7号からちょっと外れて海の方へ。能代火力発電所、能代港を眺めつつ、バームクーヘンを食べる。とにかく止まったら何かを食べるよう心がける。走りながらでもゼリーを飲む。ハンガーノックに陥らず走りきりたい。

能代大橋を渡り、北へ北へと。

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鹿の浦展望所という海岸が見渡せるポイントで休憩を入れる。眺めがいいのでドライブの人やバイクの人が次々にやってくる。 今日のルーツは海沿いの国道101号線、一本道。間違えようがない。海を左手にして、ひたすら北上するだけ。

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おりしも今日は「ツール・ド・東北2014」というサイクリングイベントが三陸で開催されているようだ。それは二千人ものサイクリストが参加するだの、被災地を走るだの、復興支援だの、たいへん華やかですばらしいイベントなのだが、僕はひとり、反対側の日本海を走っている。

このツールには一緒に走る仲間もいない、沿道の笑顔あふれる声援もない、地元名産のグルメを自動的に出してくれるエイドもない、心温まる美談もない。かといって一日で何百キロも走るブルベのような勇敢な冒険でもない。ただの平凡なライダーの平凡なライドである。

ただ、僕は僕で、自転車で東北を周遊したいと思って始めたのだ。ロードバイクで遠くに行きたかったからだし、東北も(太平洋側だけでなく)見たいと思った。そしてそれはたぶん、僕の日々に巣食う何かに対しての抵抗でもあるのだろうと思った。平日の時間外や休みの日に仕事をさせる何かに対しての。

いつの間にか秋田県から青森県へ。

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休憩ポイントがないなあ、と思っていたところに出くわしたのがこの看板、アオーネ白神。レストランがあるなあ。一旦は通り過ぎたけれど、戻って行ってみることに。なんで最初は通り過ぎたのかというと、この施設がちょっと坂道を登ったところにありそうだったからで。無駄に脚を削りたくないわけだが、こういう田舎道は補給できるところで補給しないと本当に何十キロも何もない、という事態もありそうだし。

レストランに入ろうと思ったら、ちょうど自転車乗りの方が出てきた。僕とは逆で、青森から南下しているそうだ。酒田だったか新潟だったかに行って横断して自宅の仙台に帰るとのこと。年配の方だったが、自転車乗りは総じて元気なことである。「十二湖に行くなら」と地図を渡してくれた。

マグロのステーキ丼というのを頼んで、もらった地図を見てみる、どうやら、十二湖の青池というのが一番の見所らしいだが、そこまでは5kmくらいの登りらしい。どうしようか…。

と迷っていると、マグロのステーキ丼が到着。マグロの刺身を鉄板で焼いて、たれをつけて食べるらしい。食うのが面倒くさい(時間がかかる)と思ったが、まあちゃんとご飯を食べるというミッションを果たせたのでよかった。

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で、レストランを出て、決めた。行ってみることにした。十二湖に。たかだか5kmのヒルクライムである(といいつつ、それすらたいへん迷ったのは、もう80kmくらい走っていて、というかまだ半分くらいなのに疲労が蓄積されており、先がたいへん不安だからである)。

思ったよりも大変ではなかった。海沿いの拓けた道もいいけど、山道の鬱蒼とした道には、なんとなく慣れ親しんだ感じを受けた。いくつか池を通り過ぎて、最後は車が入り込めなくなっていて、観光客はみんな歩いていく。自転車は通らせてもらい、ぎりぎり手前まで。

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その青池は、名前の通り本当に青い。そのことにまず感心してしまう。青いということを確かめるために来たのか。しかし、青いからというのがその理由なのかは分からないが、その光景はたいへん美しかった。わざわざ脚を削って来た甲斐があった。

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山から下り、再び海岸の道へ。五能線と平行に走る。

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深浦の道の駅に到着。いか焼き村である。いかを焼いている。観光客はこぞって買い求めるようで、売り場には行列ができている。

いかねえ…。ハンガーノック対策で休憩ごとに甘いお菓子を食べ続けており、ずっと胸焼けさせながら来ていたのだ。気持ち悪さはピークに達しており、正直食べたい気持ちはゼロ。しかしせっかくのいか焼き村のいかということなので、一枚買ってみた。

一枚がけっこうでかい。半分でいいのに。おいしかったけれど、けっきょく全部は食べきれませんでした。

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そして道の駅を出ると、少し日が傾いてきたようだ。海岸沿いのアップダウンが、ひとつひとつは本当に大したことのない坂なのだが、微妙につらくなってきた。

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鯵ヶ沢へ到着。コンビニにピットインして、アイスとカフェラテを摂取。冷たいものを食べたらけっこう元気がでた。残り20kmくらいか。ここを最後の休憩にして、一気にゴールを目指そう。道は海からそれて、内陸の方に。

ハンガーノックはならなかったようで、よかった。体力的にもそんなにヘロヘロではない。去年の山形-秋田間の200kmライドと比べてずいぶんマシである。今回は真夏ではなかったから、暑さによるダメージがないのも幸いしたと思う。それにしても去年は体力がなさすぎたが。

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五所川原駅に着いた。iPhoneで道の確認。目的地は駅の反対側らしい。西日に照らされるパークイン五所川原エルムシティにゴールした。206km。十二湖に寄ったために200kmを超えた。

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チェックインのとき以前勤めていた会社名を言われた。見覚えがあると思ったらやはり来たことがあったわけである。部屋で真っ先にジャージとビブショーツを洗濯。明日も同じのを着る予定。

目の前の、五所川原のマイルドヤンキーが集うエルムの街(大型ショッピングモール)に行き、パスタを食べオレンジジュースを飲み、体の回復に努めた。明日の朝食と補給食を買い求めた。ホテルに戻り、ロビーのパソコンでガーミンの充電をしながら、明日の帰りの電車の時間を調べ、そこから逆算してスタート時間を決め、早めに寝た。

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作谷沢の運動会

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9月7日日曜日

安養寺から作谷沢へ。学校のグラウンドで地区の運動会をやっていたので、休憩がてら見学した。

障害物競争をやっていた。「なんとか地区のなんとかさん、練習不足がたたって苦労しています」と本部の人がマイクで実況していた。ようやく輪投げを成功させたなんとかさんは続けてコーラの一気飲みに取りかかったが、そこでも苦戦しているようだった。「なんとかさんはコーラを味わうように飲んでいます」と実況の人が嫌みを言った。他の人はもうゴールしているか、その一歩手前まで来ていて、なんとかさんはビリ確定だった。「なんとかさん、がんばってください」と実況の人が繰り返すなか、ようやくなんとかさんがゴールした。おもしろかった。

県民の森から市街地に下って、家に帰った。いつも走っているのと逆回りのコースだったのだが、反対に走るだけでまったく別の道を走っているみたいに新鮮に感じられてよかった。

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帰ってチェーンの洗浄などをした。自転車を逆さにして掃除していたら、フレームとシートポストの隙間から水が染み出してきた。なにかと思ってシートポストを抜いてみたら、フレームの中に少し雨水が溜まっていたようだった。しばらく逆さに置いておき、水を抜いた。

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笹谷峠から蔵王へ

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山形から笹谷峠を越えて宮城県に入り、蔵王を越えて戻ってくる。春にこんなルートを聞いたときは、とてもじゃないけど自分が走れるコースじゃないなと思っていた。でも、今ならなんとなく行けそうな気がしたので、ちょっと挑戦してみることにした。

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9月6日土曜日

朝7時。家を出て笹谷峠に向かう。笹谷峠自体が初めての道である。関沢インターまでがすでに登りだが、ここからがいかにもな山道である。ぐねぐね曲がりくねることはなはだしい、極上の九十九折り。

宮城県に入って下り。けっこう寒いのでウィンドブレーカーを羽織る。コンビニで補給食を追加。バナナとアクエリアスをその場で摂って、ソイジョイをポッケに。

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今度は蔵王の登り口の方面へ。この辺りの区間も快調に進み、青根温泉を過ぎ、蔵王ヒルクライムのスタート地点、鳥居の前までやってきた。最後の大ボスの前に小休止。一口羊羹を食べるなど。ここまでは、順調だったが…。

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さあヒルクライムスタートということで、鳥居をくぐって登り始めたら、あれっ? だんだん苦しくなってきて…。これって、ハンガーノックでしょうか…。

一応、補給しながら来たつもりだったけれど。うーん、前日の夜の食事が足りていなかったのかなあ、と思った。エネルギーの貯蔵(カーボローディングってやつ)が足りないなかったんじゃないか、と。もともと体力がある人間ではないのだから、ちゃんと走ろうと思ったら、本当にもう少し厳密に食事に気を使う必要があるのかもしれない。

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ゆっくりゆっくり最低限のペースで、ようやく蔵王のリフト乗り場に到着。残していたソイジョイをじっくり噛んで食べた。玉こんも買って食べた。あとは山形へ下って帰るだけ。笹谷越えからの蔵王登山というミッションはなんとかクリアしましたが、いろいろと課題はありそうだなあ、というライドでした。

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カロリーの計算をしてみる。ガーミンの情報ではこのライドで消費したカロリーは2437kcalということだが。それに対して当日摂取したのは…

【朝食】
レトルトのカレー 600kcal
牛乳 134kcal

【補給】
ウィダーインゼリーもどき1個 180kcal
カロリーメイトもどき2本 200kcal
バナナ1本 100kcal
虎屋の羊羹(本物)1本 146kcal
アクエリアス500ml 95kcal
ソイジョイ1個 144kcal
玉こんにゃく1本 15kcal

計1614kcal

…などと計算してみても、なにもわかった気がしませんね。なんとなくの素人考えだけど、補給はこんなもんなんじゃないか。そのとき食ったものだけで消費分をカバーしなくちゃいけないってことではないよね、たぶん。やっぱり前日の食事かなあ。まあエネルギー量だけじゃなしに、水分だの塩分だのもあるんだろう。どのような仕組みでコンディションが決まるのか、まったく複雑怪奇である。けっきょくのところは、前日からよく食べて、寝て、体のコンディションを整えましょう、というくらいに考えていればいいのだろうか…(いやよくない)。


夏の終わりにジャムを煮た

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夏の終わりにジャムを煮た。完熟した桃からはたっぷりの水分が出て、それを煮詰めるとまではせずさっと煮たくらいだから、でき上がったジャムは、シロップの中に果肉がゴロゴロ入っている感じで、ジャムっぽい感じではないけれど、バニラの風味をしっかり効かせたらとても上質な味になった。

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エコーラインから蔵王温泉、西蔵王高原ライン

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8月30日土曜日

新調した眼鏡はしばらく掛けていると左耳の上(つるが当たる部分)が痛くなる模様。まあ慣れれば直るだろう、たぶん。それに新しいのも古いのも両方使うつもりでいる。眼鏡屋で聞いたところによると、今まで使っていたものは何とかコーティングというのが施された良いレンズを使用していたらしい。たしかに使い方が雑なわりに(レンズをTシャツの裾で拭いたり、自転車用にサングラスをする前は眼鏡で走ったりしていた)、傷も少なくて良かった。でも今回の眼鏡は普通の安いレンズにした。

借りてきたDVDで『猟奇的な彼女』『オールドボーイ』を見た。

8月31日日曜日

先週に引き続き本日も蔵王へ。でん六からスタート。今日は曇っていてだいぶ涼しい、というか半袖にショーツでは肌寒く感じるくらい。上っていくと霧も発生してきた。

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何度登っても蔵王はきつい。やっとことさ登りきれるというだけで、タイムを意識してとか、そんな余裕はまったくない。駐車場へ到着して、寒いのですぐウィンドブレーカーを羽織る。カロリーメイトもどきの何かを食べ、ドリンクを飲んで、早めに下ることにした。

昨日とは逆で、エコーラインから蔵王温泉へ。また少し上りになる。それにまた、晴れてきたことで暑くなってきた。ペダルを漕いだまま、手放し運転でウィンドブレーカーをさっと脱ぐ…というふうにいきたいところだが、もたついて危なっかしい。

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蔵王温泉へ到着。ガリガリ君リッチで休憩後、帰りは西蔵王高原ラインを通ってみる。温泉側から西蔵王へは緩やかな下りである。気持ちよくダウンヒルって料金所へ。自転車の料金は30円。

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蔵王温泉からエコーライン

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8月23日土曜日

前日の天気予報から雨だと思っていたところ、起きてみたらちっとも雨ではなかったのだが、体が反応しなかった。ぐずぐず二度寝した。お昼から街に出かけた。定食を食べさせる魚屋があったので入ってみた。先客がたくさんいたので持参した本を読みながら待った。ホタテとタラのフライ、さんまの刺身、岩牡蠣などを食べた。眼鏡屋に行き、新調した眼鏡を受け取った。パン屋のカフェに行き、本を読んだ。ジムに行って筋トレをした。数週間に一度の筋トレに意味があるのだろうかと思った。疲れるだけでやらない方がマシなのではないかと思った。

8月24日日曜日

晴れ。目覚めた時間は普段通り。なんとか起きて自転車の準備。せっかく自転車に乗る手はずが整ったからには、それなりの充実感を得られるようたっぷり乗っておきたい。手っ取り早く標高を稼ごうと思ったら蔵王に行くのがよいと思った。

まずは蔵王温泉まで。

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そこからエコーラインへ入り、ひたすら上る上る。どこまで続くんだっけ…と意識が遠くなりかけた頃にようやくリフト乗り場の駐車場に着く。そのままお釜の料金所まで往復した。

家に戻って桃を1個食べ、コーラを飲んだ。

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